新選組・近藤勇の最期の本陣地となった酒造家・長岡屋跡に店を構える「秋元」
これまでのブログで、みりんの基礎知識や調理効果に触れつつ、江戸時代に流山で誕生した「白みりん」について紹介してきました。流山のみりんを知って、実際に使ってみたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
江戸時代に流山で誕生した白みりんの2大ブランドが「万上(まんじょう)」と「天晴(あっぱれ)」であることは前のブログでご紹介しました。そのうち「万上」は流山キッコーマン株式会社の「マンジョウ 本みりん」に受け継がれ、現在も流山本町の工場で醸造しています。
流山本町には他にも昔ながらの製法で醸造した本みりんを販売するお店があり、流山産の本みりんを生かしたメニューを提供するカフェや飲食店もあります。
今回は、流山で本みりんを購入するにはどこへ行ったらいいのか、どんな商品があるのかなど、流山で買えるみりん商品について紹介します。
流山で本みりんを購入できるお店
土蔵や歴史ある商家の建築が建ち並ぶ流山本町は、まち散策をしながら土地の歴史を感じられるエリアです。
流鉄流山駅から北へ歩いて15分程、どこか懐かしい趣の「かごや商店」では昔ながらの『古式造り』にこだわり自然濾過で造り上げた上品な甘みが特徴の「流山本みりん」を販売しています。また、この古式造り本みりんを使った「流山本みりんゼリー」を購入できるほか、オリジナルブランドの地酒やこだわりの梅酒、柚子酒などが店内に並んでいます。
流鉄流山駅の西側、徒歩約3分のところに位置する「秋元」では、流山キッコーマン株式会社が特別に造った特選純米本みりんの「ながれやまセット」を販売しています。厳選したもち米、米こうじを使ってじっくり時間をかけて造ったもので、流山の歴史のしをり「流山と味醂と近藤勇」が一緒に入っています。「ながれやまセット」は流山市のふるさと納税の返礼品にもなっている逸品なので、気になっているけれどすぐには流山市の店舗を訪れることはできないという方は、ふるさと納税ポータルサイトをチェックしてみるのもよさそうです。
秋元の店舗は酒造家・長岡屋跡にあります。長岡屋は新選組の近藤勇が最後に本陣を構えた場所であり、官軍に包囲され、流山のまちを兵火に巻き込むことを嫌ったといわれる近藤勇がここから自首したことから、近藤勇の最後の陣営地としても知られます。
秋元の店舗を出て、万上通りを南へと歩くと白い塀が見えてきます。流山キッコーマン株式会社の工場の壁面で、ここに流山のみりんに関する歴史資料を屋外展示しており「流山本町まちなかミュージアム」として人々に親しまれています。この工場では現在も「マンジョウ 本みりん」をはじめ4種類の本みりんを醸造しています。
「ながれやまセット」は秋元で購入可能
そのまま食べてもおいしい「こぼれ梅」
みりん商品といえば、他にもみりんのまちならではの商品があるのを知っていますか?
「こぼれ梅」と呼ばれる商品で、これはみりん粕のこと。みりんを醸造するときにできるしぼり粕は、江戸時代の書に「甘くて菓子の代わりとする」とあり、当時関西でおやつとして食べられていたそうです。梅とは関係のないみりん粕を形が似ていたことから“梅の花のよう”と例えるなんて、なんとも風流ですね。
こぼれ梅は、前述の流山本町の「かごや商店」で購入できます。昔ながらのみりん醸造法でないとできないこぼれ梅は、現代では希少性が高く、幻の発酵食材とも言われます。
お菓子のようにそのまま食べてもおいしいこぼれ梅ですが、甘酒や粕漬けに使えるのはもちろん、他にもいろんな使い方ができます。
こぼれ梅を砂糖代わりに使った杏仁豆腐、こぼれ梅と納豆と混ぜ合わせた和風パスタ、こぼれ梅とクリームチーズを使ったカナッペなど、アイデア次第で料理のアレンジも自由自在! これらのレシピは、かごや商店ホームページに掲載されているので、詳しくはこちらをご覧ください。こぼれ梅を使うことで、ほのかにみりんの香りが感じられる自然な甘さに仕上がりますよ。
※こぼれ梅はアルコール分を含んでいますので、お酒の弱い方やお子さまの食用にはご注意ください。
「流山本みりん」のしぼり粕である「こぼれ梅」
まち散策をしながら、伝統のみりんの味を堪能
流山本町で購入できる本みりんやこぼれ梅の使い方などをお店の人に聞きいてみるのもおすすめです。
実際に足を運んでみると、流山のまちなかにはみりんを生かした料理やお菓子を提供するカフェや菓子店、飲食店がたくさんあります。おみやげを見つけたり、カフェでひと息ついたりしながら、みりんの多彩な味わいに出会う。流山ならではのまち散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。 次回は実際に流山のみりんを使ってメニューを提供しているお店を紹介します。