「日本茶屋 癒淹」の外観
今回は流山本町で新しくオープンした趣があるお店にお邪魔しました。流山の歴史的建築物を活用して生み出した新たな空間や、流山特産の白みりんを使った商品を提供するなど、流山の新たな魅力を発信しているお店を紹介します。
日本茶と滋味あふれる和のスイーツに舌鼓
心も体もやすらぐ癒しの空間「日本茶屋 癒淹(ゆゑん)」
流鉄流山線流山駅から5分ほど歩くと、赤い和傘がひときわ目をひく古民家が見えてきます。情緒たっぷりの景観が店頭を飾るのが「日本茶屋 癒淹」。お茶と甘味を楽しめる日本茶カフェとして、2024年6月にオープンしました。
この古民家は大正12年築の足袋の販売店(丁字屋)を改装したもので、フレンチレストランとして活用されていました。そのレストランの移転に伴い、空き家になっていたところに新たな日本茶カフェが誕生しました。店主の森田さんは、以前から日本茶や和の文化に興味を持ち学んでいたそうです。
ぜんざい日本茶付きセット
おすすめメニュー「ぜんざい日本茶付きセット」には、森田さんの思いが反映されています。お茶は、店主が厳選した九州の日本茶3種類から選べます。ぜんざいは北海道産の小豆を取り寄せ、店主自ら作っています。甘すぎないすっきりした味わいは老若男女問わず好評。お茶とのマリアージュも抜群です。
提灯や照明など店内の和風なインテリア
店内の設えも和の雰囲気に満ちています。「お茶」と書かれた直径90センチの大きな提灯は流山在住の職人の手仕事、照明は流山本町のお店で調達したもの。森田さんのこだわりのインテリアに、訪れた客からは「実家に帰ってきたようだ」という声も寄せられるそうです。近くには浅間神社など観光名所も多く、歴史散歩を楽しむ人が休憩に立ち寄ることも多いのだとか。まるで峠の茶屋で一服しているような、癒しの空間です。
「五感で癒しを感じていただきたい。みりんを使ったあんみつもメニューに加わります」という森田さん。流山散策の折には、是非、お茶と和スイーツでくつろいでみてはいかがでしょうか。
健康志向の仲間が集うコミュニティ
プロテインで美味しく栄養補給「GOOD NUTRITION PLUS+」
「GOOD NUTRITION PLUS+」の外観
流鉄流山線流山駅から歩いて5分のところに佇む一軒の古民家。ここはプロテインカフェと整体院がコラボレーションした「GOOD NUTRITION PLUS+(グッドニュートリションプラス)」です。バランスの良い栄養(ニュートリション)が摂れるプロテインなどを提供するほか、整体を受けることができます。
古民家を活かした落ち着いた佇まいのカフェスペース
プロテインカフェと整体院、コラボレーションの理由をスタッフの貞谷さんに伺いました。以前、千葉県柏市で整体院を営んでいた際、整体による外側からのケアだけでなく、身体の内側からもサポートをすれば、より健康のサポートができるのではないかと考えました。そこでプロテインを飲んだことがない方にも、気軽に健康のために取り入れられるように、プロテインカフェと整体院を融合した店舗を計画。そんな折、流山に古民家の空きがあることを聞き、2024年3月に「GOOD NUTRITION PLUS+」をオープンしました。
左から「アロエ ドリンク」、「ソイ プロテイン」、「ハーバル ティー」
カフェのおすすめメニューは「アロエ ドリンク」と「ソイ プロテイン」、「ハーバル ティー」の3種類のセットメニューでイートイン限定です。まずは「アロエ ドリンク」でスタート。アロエで体の内側からきれいにして、栄養を体内に入れる準備をします。続いては「ソイ プロテイン」。植物由来のたんぱく質や、ビタミン、ミネラル、食物繊維がバランスよく配合され、栄養はもちろん、飲みやすいのも魅力です。味はバニラ、チョコレートなど8種類のフレーバーから選べるのですが、筆者のチョイスはストロベリー。控えめの甘みで、のどごしさわやか。おいしくいただきました。お客様にも好評で、「プロテインのイメージが変わった」などの声も相次いでいるそうです。そして締めは「ハーバル ティー」。すっきりした味わいで体が整います。健康志向の高まりもあり、幅広い年齢の方が利用しているとのことです。また、お店ではプロテインの提供だけでなく、ヨガやエステなどのワークショップを開催することもあるのだとか。「いろいろな人が集まってきて、お互いに相乗効果があるように、ということで店名に+(プラス)と付けました」と語る貞谷さん。ちなみに、流山に店を構えたということで、料理にみりんを使ってみたらそのおいしさに感激。そこでみりんを使ったプロテインを作ってみたところ、とてもおいしくできたのだとか。みりんメニューは不定期で提供しています。
絶品の白みりんクラフトビールも
流山の魅力を存分に活かしたクラフトビール醸造所「流山麦酒」
「流山麦酒 YASUDAYA BREWERY」の外観
流鉄流山線流山駅から5分ほど歩くと、シンプルで落ち着いた外観が特徴的なお店が見えてきます。2023年7月にオープンしたこの店は、流山本町に文政元年創業し、地域の人々に愛された「安田屋」が、流山市初のクラフトビール醸造所として生まれ変わった「流山麦酒」です。店長は弁当屋も営んでいる戸部さん。生まれも育ちも流山の戸部さんは、流山にはこれといった手土産がないということに悩んでいました。そこで市の商工会議所とも相談して、クラフトビールの醸造・販売店を立ち上げました。コンセプトは「だれでも飲める飲みやすいビール」。クラフトビールはおいしい、ということを感じてもらいたくて作っています。
人気のクラフトビール「行燈」(左)、店内受付(右上)、醸造タンク(右下)
提供するクラフトビールは、いずれも地元の米や農産物、花や果物など豊かな自然を活用した、この場所にしかない味わいを目指したもの。一番人気は「行燈(あんどん)」。流山本町の夜を照らす行燈をイメージした黒ビールで、焙煎麦芽の香りと酸味、すっきりした甘みが飲みやすいと好評です。そして戸部さんが地元流山をもっと盛り上げたい、流山らしいものを作りたいとの思いから作り上げたのが、流山市の特産品白みりんを使ったクラフトビール「みりんジンジャー」。テーマは「おもいっきり流山!!」。流山市観光プロモーションデザインの「ナガレヤマイイカモ」を使ったラベルにも流山のモチーフがあふれています。「みりんジンジャー」は名前のとおり白みりんのしぼり粕(こぼれ梅)と流山産の生姜を使っています。香りの強い酒粕と比べるとみりんは香りが弱いので、みりんを感じさせることに苦労したそうです。努力の甲斐あって、甘みがありながらすっきりとした味わいに仕上がりました。
白みりんを使った「みりんジンジャー」
「今後は、もっと生姜の味を強くして辛口にするなど、改良を加えていきます。さらに、塩や蜂蜜を使ったビールの開発なども考えています」と新商品のアイデアがつきない様子の戸部さんからは、流山愛がひしひしと伝わってくるようです。みなさんも白みりんのクラフトビールを味わって、流山を感じてみませんか。